トップページでも「ヘッドフォンのワイアレス化には失敗」と書いているので、何に失敗したかを紹介しておきます。

 

SONY MDR-IF245RK
選定項目 仕様 写真 アマゾンリンク
送信方式 赤外線伝送
レイテンシー
インピーダンス 10~24,000Hz
再生周波数帯域
音圧感度
電源

ヘッドフォン:充電式
トランスミッター:AC変換

重量 200g

これは、赤外線伝送のヘッドフォンです。
この場合の失敗は、トランスミッターとの位置関係によって、ノイズが入ります。
間に人が入っても、ノイズがひどくなったり、音が消えることもあります。
とにかく、バーチャル・ミュージック・スタジオとして、何度かやってみたりはしましたが、有線のほうが良いと言われました。

Bluetoothヘッドフォン/イアフォン

上記、赤外線方式の失敗ののち、スマホとつないでいるBluetoothイアフォンなら音質は良いと思い、Bluetooth送信機を買ってきて、ミキサーと接続しました。
イアフォンと正常にペアリングでき、音も受信できました。(ただ、エコー音が聞こえるので、一抹の不安。)
キーボードの演奏をしてみると、エコーだけが聞こえました。
原因を探ろうと、考えて、ハッと気づいたことは、エコーでなく、そもそもの音が遅延して聞こえるのです。
「デジタル送信とは、そういうものだった」と。
ちなみに、ロックのギターの速い曲だと、1秒間に8音ぐらい鳴らすわけです。125msに1音。
もしレイテンシー(遅延)が125msだとすると、次の音を鳴らしたときに、前の音が聞こえるわけです。
これだと、自分の音を聞きながら演奏することは不可能になります。
人の音に合わせることは、もっと困難です。

 

ここから、デジタル伝送のヘッドフォンを選定する場合、遅延との闘いなのだということを知りました。

TDK TH-WR700
選定項目 仕様 写真 アマゾンリンク
伝送方式 Kleer
レイテンシー 45ms
インピーダンス 32Ω
再生周波数帯域 20~20,000Hz
音圧感度 108 dB/mW
電源

単4アルカリ電池4本
(約40時間)

重量 170g

これは、Kleerという伝送方式のもので、「Bluetoothに比べて、レイテンシーが少ない」というのが、一つの売りでした。
そこで購入してみたのですが、45msの遅延は、まだ、演奏では、気になります。
弾けるか弾けないかでは、弾けるような気がします。
ただ、そんな環境で、みんなで練習するのは変なので、不採用としました。

SONY MDR-HW700DS
選定項目 仕様 写真 アマゾンリンク
伝送方式 ?(2.4GHz帯と5GHz帯のディアルバンド)
レイテンシー
インピーダンス 24 Ω
再生周波数帯域 5~25,000Hz
音圧感度
電源

ヘッドフォン:USB充電
プロセッサ:AC12V

重量 320g

 これは、9.1ch デジタルサラウンドヘッドホンです。映画を見るためのヘッドフォンです。
実は、夜中、映画を見るには最高の商品です。今も楽しめています。
で、音の遅延のことですが、購入前に、レビューコメントなどで「映像と音がずれることがない」をよく確認したうえで購入しました。
まったく、その通りで、映画は遅延なく楽しめます。いい音です。サラウンドです。
ところが、外部入力とヘッドフォンの間では、わずかな遅延があります。「TDK TH-WR700」同様、演奏できないことはない気もします。ただ、みんなで遅延を我慢しながら練習するのは難しいかと考え、これもバーチャル・ミュージック・スタジオとしての採用はあきらめました。

 

ちなみに、MDR-HW700DSは、音の遅延に合わせて、映像の方を遅らせているのではないかと思われます。

 

というように、ヘッドフォンの無線化の失敗は、赤外線伝送のノイズと、デジタル伝送の遅延によるものです。
プロは使っているので、アナログ伝送のものも、あるはずなのですが、見つかるものはとても高価です。
ただ、ギターのワイアレスシステムでは、6msの遅延というものもあるので、今調べると、何か良いものが出てくるかもしれません。確かに125msの10%以下なら気にならないような気がします。
良いものを見つけたら、また、紹介いたします。